味ペン: 感触のあるペイントソフトウェア
画面の中に続くペン先が新しい知覚-行為を生み出す
本研究は,線を書く際に発生するペンごとに固有「書き味」に着目したシステム:味ペンを開発した.私たちは一般的に筆記用具を選ぶ際に「書き味」を ひとつの基準にすることがある.たとえば,ボールペンは「なめらか」などといった書き味を売りにしたペンや,筆にもさまざま毛質を利用した書き味の異なる筆がある.味ペンはペンタブレットやタブレットPC,あるいはマウスを利用するが,その際に従来はポインティングした点から線が描画されるが,味ペンは画面に仮想筆先とよばれる独自の伸び縮みするカーソルを生成し,その仮想筆先の先端から線の描画を開始する.この仮想筆先の変形によって,独特の書き味とストロークを可能にする.味ペンはカーソルの変化によってユーザに触覚的な経験を提示するVisualHapticsを応用したものである.
発表
- 特許出願中(2007.3)
- Keita Watanabe, Michiaki Yasumura. FlexibleBrush: A realistic brush stroke experience with a virtual nib. Adjunct Proceedings of the 20th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology. pp47-48. October 2007.
- 渡邊恵太, 安村通晃. 味ペン: 仮想筆先による触覚的「書き味」感覚提示の提案と試作. インタラクション2007予稿集, pp183-184. March 2007
受賞
- 特別賞 ( アジアデジタルアートアワード2009 インタラクティブ部門 )
- インタラクティブ発表賞 (インタラクション2007 )